うつ病と似た病気


うつ病と似た病気に神経症や心身症などがあります。見分けるには専門的な知識が必要ですが、対処法や治療法など違ってきますのでその違いについて説明していきます。


−神経症−
神経症は心の病の1つで、自分の中の不安な気持ちをコントロールできなくなる病気です。ドイツ語ではノイローゼといい日本でも1度は聞いたことのある病名だと思います。
その症状の特徴によって「不安神経症」「抑うつ神経症」「ヒステリー神経症」「恐怖神経症」「強迫神経症」に分類されますが、不安という症状はすべてに共通して見られます。
普通は不安になる理由ははっきりしており、例えば自分の病気や家族の病気、受験や面接など、しかしこれらは次の日になったり時間が経つと回復するもの。
これに対して神経症など病的なな不安は、自分が不安になった理由がはっきりせず、自分で表現することもできずに周囲の人にもわかってもらえません。
症状としてはうつ病と似たようなものですが、神経症はカウンセリングなどの精神療法などが中心になります。

−心身症−
心の病が身体的に現れてくる病気を心身症といい、社会的ストレスや心理的ストレスが原因で起こる体の病気の総称です。
別項で説明した仮面うつ病と似ていると思われがちですが、この心身症は心の病気ではなくあくまで体の病気だという点が大きく違います。
その身体的症状は、気管支ゼンソク・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・高血圧・心筋梗塞・糖尿病・偏頭痛・関節リウマチ・メニエール病など(他にももっとあります)非常に多彩です。
患者さんはどこで治療したら良いのか分からず、外科や内科を訪れることになるのですが、この心身症の治療には病的治療の他にも精神的な治療も必要になってきます。

−精神分裂症−
この病気は現実と非現実の区別ができなくなる病気で、症状が進行すると妄想や幻覚が思考のほとんどを占めるようになります。
分裂病は思春期から30歳あたりに発症することが多く約100に1人くらいの確立で発病するといわれ、それほど珍しいな病気ではないと言えるでしょう。
男女に発症する確立の差はありませんが、男性の方が早い年齢で発病するというデータがあります。また慢性化する恐れがあるので早期治療が求められます。

−適応障害−
適応障害とは、社会環境や生活環境に上手く適応することができず、その結果さまざまな身体的症状が現れてきて社会生活に支障をきたすことをいいます。
気分の落ち込みや絶望感などの症状が出てきますが、その抑うつ気分になった原因がはっきりしており、これがうつ病との大きな違いになります。
ストレスに弱い人や、コミュニケーション能力がない人が発症しやすいと言われており、その治療は抗不安剤を用いる薬物療法や精神療法が主になります。

−境界性人格障害−
感情が一定で安定している状態と、不安定な状態とが交互に現れる病気です。
急に他人に対して攻撃的になったり、時には自殺を試みたりもします。
発症には若い女性が多いという傾向があり、診察では強い憂うつ感を訴えることが多いのでうつ病と診断されることもあるそうです。
ですがこの境界性人格障害の治療には精神療法が最も効果的で、うつ病の治療に使用される抗うつ剤はほとんど効果がありません。

−老人性痴呆症−
人間は歳をとると脳の働きが衰え、それが物忘れをする記憶障害になったり、また場所や名前に関して見当違いが出てくるなど、それら脳に病理的変化が起こっていると考えられるものを老人性痴呆症と言います。
いわゆる「ボケ」とも呼ばれますが、このボケはうつ病が原因で発症したというケースも少なくなく、両者の区別がつきにくくなっています。
痴呆症という名称は、偏見や差別を強調しかねないとして最近は使われなくなり、2004年に厚労省によって「認知症」が新しい名称となりました。
うつ病と認知症は症状が似ており、その治療法を間違えないよう注意が必要です。